なぜそんなことになるかといえば、答えは簡単、ジャズの名盤を聴いているようで実はジャズの迷盤を聞いているからです!
ここでは、聞くと嫌んなっちゃう、特に初心者はもう結構ですといってちゃぶ台をひっくり返して部屋を出てっちゃうような絶対聞いてはいけない名盤・迷盤を紹介します。
ただしロック好きは免疫があるから多少の抵抗力はあるかもしれません。あくまで普通の音楽を聞いてきた普通の男の子、女の子に絶対聞かせてはいけないものです。
うわーい、こんな珍しい企画今までなかったぞ
(この記事はブログ本体の12月16日の記事を編集加筆しました。)
迷盤ランキング | 写真情報 (アマゾン) |
アルバム名 アーティスト名 |
コメント |
1 | Waltz for Debby |
Waltz for Debby Bill Evans. Riverside. [スイングジャーナル誌1位] |
このビルエヴァンスというのは、ピアノを伴奏っぽく弾く人です。右手に余り表現力がありません。それは多分、音楽に特に詳しくない普通の方たちにも分かるんじゃないかな。なにこの伴奏って感じ?何かが足りなあーい!ああ、ネムーイ。となること請け合いです。 彼は、他のピアニストが奏でる華麗な右手のワークをサボっているのか、それともわざとなのか、とにかくやらないのです。全部がただコードを弾いているだけのベターっとした音になっています。 どうせピアノを聴くならオスカー・ピーターソンとか、アート・テイタムという人でも聞いたほうが良いでしょう! しかし、ビル・エヴァンスも人生がそろそろ終わる1977年に録られたYou Must Believe in Springというアルバムでは普通に右手でメロディーを弾いています。 エヴァンスさん、気づくの遅すぎるって。 |
2 | Kind of Blue |
Kind of Blue, Miles Davis, Columbia. [スイングジャーナル誌2位] |
これはエマーソン・レイク・アンド・パーマーとかキングクリムゾンといったプログレッシブロックが好きな人にはうん、良いんじゃない?と思わせるアルバムです。 しかし、普通の男の子女の子は、ジャズには軽さ、楽しさ、飛び跳ねるようなワクワク感を求めているのです!この泥棒が抜き足差し足、ひたひた自宅の壁の周りを歩いて迫ってくるような一曲目、So Whatのテーマはいただけません。 こ、これが本当にジャズなの?と怪訝な顔をされて終わりです。怪訝な音楽というのはビートルズの中後期とかマハビシュヌ・オーケストラとかいろいろありますが、このカインド・オブ・ブルーもなかなか負けていません。 このアルバムがジャズにすさまじい衝撃を与えたというのも良く分かりません。クラシックやプログレで育った私にとってはコードがあるのかないのか分からない状態で延々ソロを取れるこのアルバム以前の50年代のジャズメンの方がよほど脅威なのですが… |
3 | Cool Struttin' |
Cool Struttin', Sonny Clark, Bluenote. [スイングジャーナル誌第9位] |
こ、これはメンバーにやる気がまったく感じられません。録音状態が良いというだけのアルバムでしょうか。 まずメロディーがありません。初心者には口ずさめるようなメロディーがないとダメなんです。ソニーロリンズのサキソフォーン・コロッサスのセント・トーマスの「ぱっぱっぱっぱああ」みたいな。あれは入門者には良いですね。二曲目からはどうかなと思いますが。 覚えられる部分がないと感情移入できないのです。それも一回聞いて、ああ、これいいね!っていう部分ががないと。 このアルバムには覚えられる部分がありません。ただ、だらだらだーんとそれぞれメンバーが弾き流しているだけ。わずかに最初のCool Struttin'の頭ぐらいかな。しかし、R&B調になっていて、これならBBキングでも聞いてもらったほうがまだウケます! 日本のジャズ通親父にしかウケなかった(ライナーにもそう書いてあります)のもなるほど納得。なぜこれを変にありがたがるのか全く分かりません。 リズム隊が豪華という話もありますが、この同じリズム隊なら、アートペッパーのArt Pepper meets The Rhythm Sectionの方がよっぽど良い出来です。そっちをお勧めします。 |
4 | Standards Live |
Standards-Live, Keith Jarrett Trio, Universal/Polygram 邦題「星影のステラ」 [スイングジャーナル誌第31位] |
「う おおああ」「げふう!」「ぬふふう」「ん〜ん〜ん〜」とCDをかけるとピアノを弾くキース・ジャレットさんと一緒に声を出すスタンドならぬうしろの百太郎さ
んがいます。ちょっとジョジョの奇妙な冒険一部に出てくる雑魚ゾンビっぽいです。それも最初から最後まで演奏にぴたりと寄り添い、「うがあ」「げぶうう」とか言ってい
ます。 これを知らない初心者のかわいい男の子女の子が聞いたら、@部屋の冷蔵庫の中にお母さんがいる。ACDの中に岡田有季子が住んでいる、B自分の頭の中に別の人格が沸いてきている、のどれかだと思うでしょう。 このアルバムをどうやれば好きになれるんでしょう。私はギターを弾いていたとき、変に息を吸ったり吐いたりするとリズムが速くなったり遅くなったりするので、特にソロのときは呼吸を止めてやっていました。それだけ呼吸と演奏は関係があります。 こんなだらだらしながら弾くようじゃあ、肝心のピアノも別にどうでもいいような演奏なのがバレバレだよなあ。きれいなジャケットと、かわいらしい女の子の名前のついた邦題なのにひどいよなあ、これ。 |
5 | John Coltrane - A Love Supreme |
A Love Supreme. John Coltrane. Impulse! [スイングジャーナル誌第46位] |
ジャズで最高の演奏をしているアルバムを教えて、と聞くとかなりのベテランがこのアルバムをあげるのではないでしょうか。しかし待ってください。初心者入門者はまずジャズの楽しさを知ってください。ジャズの陰影の部分は後からでいいんです。 初心者・入門者がこける原因は、@暗い曲A訳が分からない曲B演奏者が自分だけ分かっているみたいな曲をいきなり聴いてしまうことです。このアルバムは三拍子そろっているんです。 ただし、入門が完了して中級ぐらいに進んだら是非聞いてみてください。 |
ということで、いかがだったでしょうか。いきなりこんなのを聞かされたら誰でも嫌になっちゃいますね。しかも恐ろしいことにこれらの5枚はスイングジャーナル誌でトップにランクされているものばかりではないですか。
嫌いになるために音楽を聴く必要はありません。好きになれるもの、楽しいもの、鼻歌を歌いたくなるものから始めましょう!
それでは、読者の皆さん、まわりの初心者の方にはこの5枚のアルバムは絶対聞かないよう忠告してください。今後も、初心者は聞かないほうがいいアルバムを見つけるたびにブログで報告し、このランキングに追加していきます(怒`・ω・´)ムキッ